PowerShellのスクリプト変数のCopyOnWriteバグ？

Question

次のソースを実行する。

$gv=9686

$funcs = @(
{
    echo "GlobalOnRead"
    $lv = $gv
    Write-Output $lv
}
,
{
    echo "CopyOnWrite"
    $lv = $gv
    $lv += 5050 - 9686
    Write-Output $lv
}
,
{
    echo "LocalOnWrite"
    $lv = $gv
    $gv += 5050 - 9686
    Write-Output ([String]$lv + ":" + $gv)
}
)

for($i = 0; $i -lt $funcs.length; $i++)
{
    Write-Output $funcs[$i].invoke()
}

結果

GlobalOnRead
9686
CopyOnWrite
5050
LocalOnWrite
9686:-4636

本来は次になるべきでは

GlobalOnRead
9686
CopyOnWrite
5050
LocalOnWrite
9686:5050

原因はCopyOnWriteの実装に誤りがあり、ローカル変数領域を確保後に、グローバル変数をコピーしていないのではないかと思います。

Answer 1

おはようございます。

PowerShellのバージョンによってはこの挙動がちょっと異なる様で、PowerShell 2.0だと期待した動作をしますね。

PowerShell 3.0から動作が変わっている様ですが、これが仕様変更なのかスコープのバグなのかはちょっとわかりません。

現状、新しいPowerShellでは最後のLocalOnWriteのスクリプトブロックについて、

$gv += 5050 - 9686

の部分はスコープを明示していないため、ローカルスコープ

$gv += 5050 - 9686
# ↓
$local:gv += 5050 - 9686
# ↓
$local:gv = $local:gv + 5050 - 9686

として扱われています。

このため-4636を返してます。

なお、

$lv = $gv

については、この時点でローカルな$gvは未定義なため、上位スコープの変数を参照して9686の値を取得しています。

期待する動作をさせるためには、

$gv = $gv + 5050 - 9686

と+=演算子を展開するしかない様です。

※バージョンによる挙動の差異を発見したのでコメントを編集しました。

Answer 2

コメントを追加します。

上記の動作はPowerShell 3.0での仕様変更によるものでした。

リリースノートに以下の変更が明記されていました。

Read/Modify/Write operators no longer use dynamic scoping for the Read operation. Also, compound equality operators (including +=, -=, *=, %=, ++, --) do not use dynamic scoping.  The variable is always in the current scope.  

コード例としては、

https://github.com/nightroman/PowerShellTraps/tree/master/Basic/Compound-assignment-operators

の方のサンプルを見ていただくとわかりやすいかと思います。

Answer 3

返信ありがとうございます

Test-2.ps1 を見る限り、動作が安定していないようですね。

デフォルトをグローバル変数の値とするか、未定義のためエラーとするかしたほうがバグが少ないように思いますね。