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今からはじめる!Power BIでOffice 365利用状況を会社組織別に可視化する (その1)

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今からはじめる!Power BIでOffice 365利用状況を会社組織別に可視化する(その1)
今からはじめる!Power BIでOffice 365利用状況を会社組織別に可視化する(その2)
今からはじめる!Power BIでOffice 365利用状況を会社組織別に可視化する(その3)
みなさん、こんにちは。Office365技術営業の塚本浩徳です。今回、昨年11月のTechSummitやTeams利活用セミナーで非常に反響がありサンプル提供の希望が殺到しました、Office365の利用状況を会社の組織別で可視化・分析するPower BIグラフの作成方法のイメージについて解説致します。 グラフの元データをOffice365から出力したり、組織情報を含むユーザーディレクトリを準備するところから、当方が作成したサンプルPower BIテンプレートを適応し実際の利用状況を可視化するところまでのイメージをつかんで頂ければと思います。
今回のサンプルグラフの設定を参考に、Power BIを駆使しカスタマイズグラフを作成して頂けるきっかけ、およびOffice365の利活用促進のきっかけになれば幸いです。
1.可視化が必要な背景
Microsoft TeamsをメインにOffice365サービスの利活用促進活動が昨今増えて参りました。働き方改革を推し進める中で、新規に導入したICTソリューションが浸透しないのでは意味がなくなってしまうため的確なエンドユーザー様への利用促進が重要視されてきています。その中で大変お多くのお客様が以下のようなお悩みをもってらっしゃいました。
・「テナントベースの利用グラフでなく、会社の組織別の利用度を簡単にグラフ化したい」
・「毎週・毎月の利用データの反映とグラフ作成を外注して費用も時間もかけておりなんとかしたい。手動作業をやめたい」
・「関係会社毎の利用度グラフをExcelで作成して毎月配布しているが、非常に面倒」
・「Excelで作成した利用グラフのスクリーンショットを取って社内メンバに共有しているが静止画であるため、ドリルアップ・ダウン、因果関係分析が各自でてきない」
・「利活用促進活動の実施前・後で部署毎でどれくらいユーザー数・アクティビティ数が伸びたか可視化したい」
・「グローバル地域・国内拠点別、職位別の利用状況可視化をやってみたい」
さらにMicrosoft Teamsの利活用促進・運用や、Skype for BusinessからTeamsへの移行度合い状況確認、働き方改革満足度アンケートまで、さらに利用度の可視化についてのご要望を頂くことが多くなっています。
・「Microsoft Teamsの利活用促進のために:Teams強化月間をやって、社内で利用度競争イベントをやって上位ユーザーを表彰したい、組織別・ユーザー別でランキング表示できるグラフがほしい」
・「Microsoft Teamsのチーム構成がどれくらい組織横断的に構成されているか可視化できないか?」
・「Microsoft Teamsのチームを作成するとSharePoint Siteが作成されるが、Teamsで作成されたSharePoint Siteの数や利用度を可視化できないか?」
・「Microsoft Teamsのゲスト機能を有効にしたが、ゲストメンバ一覧とどのチームに所属しているか可視化したい」
・「電話会議オプションの通話明細を組織別に可視化したい」
・「Skype for BusinessとTeamsを共存させて利用しており、ぐにTeamsだけの運用に切り替えたいが、ユーザーの意向度合いをまず可視化したい」
・「年に一度、IT働き方改革アンケートをエンドユーザーに実施しているが、紙ベースでやっており集計が大変、Microsoft Formsでの実施を考えているが、テナント一括の集計結果になり組織・部門別の集計結果を出し、かつOffice365利用度とアンケート満足度を比較したい。」
2.Power BIでお悩み解決!利用状況可視化・分析して利活用推進活動をしよう
どのお悩みも非常に重要なポイントであり、利活用促進に必要不可欠なだと思います。こんなお悩み解決にぴったりなツールは、データ可視化・分析ツールであるPower BIです。Power BIを利用して、これら悩みを解決してみましょう!まずは、Office365関連のデータと、既に用意されている利用度可視化ツールについておさらいします。
<Office365利用データについて>Office365利用度可視化に利用可能なデータと採取(エキスポート)方法は、大きく以下の方法があります。Graph API・Office365管理ポータルの利用レポート・監査ログ・各プロダクトのPowerShell等からデータをエキスポートすることが可能です。 これらデータを自動的にエキスポートし、Power BIでグラフ表示できれば利活用促進グラフが作成できますね!
<既に用意されている可視化ツール>可視化ツールとしてはOffice365管理ポータルのレポート機能およびMicrosoft365 Usage Analyticsが提供されています。管理ポータルのレポート機能は基本的なテナントベースの利用度を表示してくれるものになりますが、Microsoft365 Usage Analyticsはお客様でデータの準備・データベースの準備の必要なく非常に簡単な設定でPower BIからテナントのOffice365利用状況を可視化してくれる素晴らしいツールです。 しかし、現在時点(2019, Jan)でMicrosoft365 Usage Analyticsでは組織毎・ユーザー毎の利用データは先月分のものだけ可視化することができない仕様であるため(テナント利用度は過去1年分可能)、十分でない場合があります。
その場合は、利用データをエキスポートして、それをPower BIで可視化し、組織情報含むユーザーデータと組み合わせ表示ができればしかしな悩みを解決することが可能です。 しかしがら監査ログといったいつ、誰が、なにを、どうした?といったデータであるとデータ量が非常に大きくなり、グラフ構築にはデータベースを用意する必要性が出てきます。可視化したいデータ・目的・費用や時間を加味して、必要なツールを準備する必要があります。
参考:Microsoft365 利用状況分析について テナント全体の各製品の利用状況を簡単な手順で把握することに便利です。 先月分(のみ)の部門・ユーザー利用状況も確認できます。 Teamsの利用状況グラフもサポートされており、Power BIテンプレートも利用可能で自由に編集して利用できます。
Customize the reports in Microsoft 365 usage analytics
今回ご紹介するPower BIグラフ作成方法およびサンプルテンプレートは、比較的軽い利用状況レポートデータと組織情報含むユーザーデータを利用し、かつデータベースの代わりにSharePoint Onlineを利用してどの方も簡単に導入できるものになります。
<今回ご紹介するPower BIグラフ作成方法とサンプルテンプレートの目的>
今回は、前述の通り、データ量が多くなる監査データ・PowerShellログではなく比較的軽いデータで済むOffice365利用レポートデータをメインで利用するグラフをご紹介します。 何時何分に誰がなにをどのようにした、というデータは含みませんが、数々の悩みを解決するのに十分なグラフを作成することができます。本紹介の目的は、データの採取方法、Power BI構築イメージを理解して頂き、ご自身で必要な可視化環境を構築する参考にして頂くことになります。データの採取方法が構築できれば、ご自身でPower BIグラフを作成することが可能になります。紹介するサンプルPower BIテンプレートはあくまで構築例・利用例のイメージをつかんで頂く例としてご活用ください。ポイント: ・データベース構築が必要な環境構築、パートナーソリューション導入前に、データベースの用意なしに“迅速に”・“簡単に”・“安価で”、見える化の重要性と有効性、コンセプトを体験・利用頂くものです。
・Office365利用状況を把握する目的で利用します。
・既にExcel Pivot Table等で手動で利用状況レポート作成・分析しているお客様が Power BIを利用することにより、より簡単にグラフ表示して頂きPower BIの良さを体験して頂くものです。
・Microsoft 365利用状況分析で表現できない分析を必要とする場合のサンプルグラフを提供します。
・本Power BIテンプレートはあくまでサンプルであり製品ではなく、サポートはありません。同様グラフの構築・グラフ編集についてのご要望はパートナー様へコンタクトをお願いします。
<今回ご紹介するPower BIグラフ作成の仕組み>
Power BIでの利用度の可視化には大きく以下の構成が必要になります。
・Office365利用データ
・Office365利用データ保存先(=Power BIのデータ読み取り先)
・所属組織含むユーザーデータ
・Power BI
今回のサンプルグラフでは多くのお客様が手軽に環境を準備できるよう以下の仕組みでグラフを作成します。
・Microsoft Graph APIおよびPowerShellからOffiec365利用データをCSV形式で出力 毎7日または30日で出力。
・出力したCSVファイルをSharePoint Onlineに保存(毎7日または30日で保存)
・Office365または人事データベースから組織情報含むユーザーディレクトリを用意 人事データ反映のため毎月ファイルを用意。
・Power BI (Power BI Free以上のライセンス、共有にはPRO以上が必要) 毎7日または30日でSharePonit Onlineからファイル読み取り。
<準備するもの>
・Office365管理者アカウント(多要素認証なし)
・PowerShell、Power BI Desktop用PC(共存、または別PCでも可能)
・Office365にアクセス可能なNW
・SharePoint Onlineドキュメントライブラリ
・Company(会社)・Division(事業部)・Department(部)とユーザー情報(UPN・DisplayName)が入ったユーザーディレクトリCSVファイル (注:毎月用意が必要)
・Power BI Free以上のライセンスを付与したアカウント(Power BI PROが望ましい)
<Office365から出力されるデータ種類>
今回のサンプルグラフでは以下のデータを出力しています。 グラフ表示に必須のデータ: Graph APIの中のOffice365利用レポートから出力(またはOffice365管理ポータルから手動で出力も可能):
l Exchange-メールアクティビティ
l Exchange-メールアプリの使用状況
l Exchange-メールボックスの使用状況
l Office365-アクティブ化
l Office365-グループのアクティビティ
l OneDrive-アクティビティ
l OneDrive-利用状況
l SharePoint-アクティビティ
l SharePoint-サイトの利用状況
l SkypeForBusiness-アクティビティ
l SkypeForBusiness-デバイスの使用状況
l Teams-デバイスの使用状況
l Teams-ユーザーアクティビティ
l Yammer-アクテビティ
l Yammer-デバイスの使用状況
l Yammer-グループのアクティビティ
PowerShellで出力
l Teamsのチームおよびメンバ情報
l Users Directoryデータ(管理ポータルから手動で出力も可) 注意:Company(会社)・Division(事業部)・Department(部)の組織データが入っていない場合は別途出力データに追加が必要。
オプショングラフのデータ:
l (手動のみで出力)電話会議オプションの外線通話明細
l (PowerShellまたは手動で出力)Microsoft Teamsのチームおよびチャネルの作成・削除・サインインの監査ログ
l Microsoft FormsでのOffice365満足度調査アンケート結果ファイル 用意したFormsテンプレートからアンケートを作成するとご利用のOndriveに結果が反映されるExcelファイルが作成されます。
<Graph API出力データ例>
以下はMicrosoft Teamsのユーザーアクティビティ(Report出力日:2018/8/25、過去7日分の利用データ)の出力例です。 このようにUPN(User Principal Name)毎に各プロダクトの各アクションの利用回数の統計情報がまとまって出力されます。
<Office365利用状況Power BIグラフの基本的な作り方>
Power BIのグラフの基本的な作り方は、Office365の利用データ、および組織情報を含むユーザーディレクトリデータを「毎月のUPN」毎に紐づけを行っており、複数のレポート出力日の情報をまとめた累計利用数グラフ、またはレポート出力日毎に利用度をまとめ時系列に表示した時系列グラフを作成しています。 「毎月のUPN」をキーにする理由は、人事異動で部署が変更になるユーザーの情報を例えば3月分のグラフ、4月分のグラフにそれぞれ反映するのが目的になります。
そのため、例えばUPN毎に毎月の交通費・出張費用がまとまっているデータが別にあれば、Skype for BusinessやMicrosoft Teamsの利用度と掛け合わせてグラフ表示も可能です。 ユーザーディレクトリのUPN毎に職位やオフィスの場所情報、入社年度等があれば、これらをキーにしたOffice365利用度の分析も可能になります。 この仕組みだけわかってしまえば、元データとなるCSVファイル構成は非常にシンプルで扱いやすいので、サンプルグラフを参考に、Power BIを使って皆さん独自のカスタマイズグラフを作成してみてください。
<サンプルグラフのイメージ> イメージをつかむために、Microsoft Teamsの累計利用状況グラフはこんな形で構成できます。
・テナント内のアクティブユーザー数
・組織別(会社・事業部・部署)のアクティブユーザー数および比率 ・組織・ユーザー別のMicrosoft Teamsのユーザーアクティビティ数
・アクセスデバイス種別の比率
・詳細テーブル
・組織フィルタ
・レポート出力日範囲フィルタ
ヒント:行レベルセキュリティと利用がおすすめ!
ちなみにPower BIの素晴らしい機能で行レベルセキュリティというものがあります。共有された同じグラフを参照しても閲覧者のPower BIのログインIDに応じた閲覧範囲フィルタを適応して、例えば以下の例ではContoso-East(コントソ東会社)の従業員は自分の会社のMicrosoft Teams利用状況だけしか閲覧できなくなります。
(注:Power BIグラフの共有にはPower BI PRO以上のライセンスが必要です)<サンプルグラフ設定のイメージ> 以下に大まかな設定の流れを紹介します。 詳しくは第3章以降をご参照ください。
① Azure ADにGraph APIアクセス用アプリケーションを登録します。
② Graph APIから利用データをダウンロードするためのPowerShell実行準備を行います。1. PowerShell実行用PCにPowerShellスクリプト一式を用意します。
2. PowerShell実行用PCにUsageデータ一時格納用フォルダを用意します。3. PowerShell実行用PCに管理者アカウント資格情報XMLファイルを用意します。③ 一時格納したUsageデータをSharePoint Onlineにアップロードする準備を行います。 SharePoint OnlineにUsageデータ格納用ドキュメントライブラリを用意します。(作成済み・新規どちらでもOK)
④ PowerShell実行用PCにPowerShellのタスクスケジュールを設定します。
⑤ タスク一式を初回実行します、SharePoint OnlineにUsageデータ一式が保存されます。
⑥ User Directoryに個別で用意したUser Directory CSVを保存します。 Office365管理ポータル>アクティブなユーザーをエキスポート、またはPowerShellで出力、またはAD等から出力したもの。 サンプルグラフ利用には、Company・Division・Department列情報を含めたCSVファイルを用意する必要があります。
⑦ Power BI Desktopでサンプルテンプレートを開き、SharePoint OnlineのUsageデータが格納された各フォルダURLを入力し、一度Power BIグラフでグラフ表示させます。
⑧ 問題なく表示されたらPower BIサービス(クラウド)に発行します。
<サンプルグラフ注意事項>・できること例
l Office365管理ポータル or Microsoft Graph Report APIから取得できるデータを
l 組織情報・ユーザー情報別に累計・時系列でPower BIで可視化する
l Power BIを利用するため柔軟なカスタマイズが可能
l 自動更新+共有が可能(共有にはPower BI Proライセンス以上が必要)
l 外部データ(交通費・営業成績・勤務時間等)との掛け合わせが可能。
l Power BI機能を利用によりUser ID毎のViewを構成可能。
l 必要ないグラフは自由に削除して利用可能
l Users DirectoryにCompany(会社)、Division(事業部)、Department(部門)情報を用意する条件で 複数組織レイヤ別に利用状況を見ることが可能。
できないこと例
l Office365管理ポータル or Microsoft Graph Report APIから取得できるデータに含まれないデータのグラフ (例:何時何分に誰がなにをした、という元データではないため、Usage回数の統計データで表現できる範囲になります)
l 外部データの取り込み時でレポートの元データ量が大きくなる場合、データベースの用意やPower BI Premiumの用意の必要があり。
l 日付はレポート出力日(Report Refresh Date)が基準になり、日付はUTCになりLocal Timeでの出力は不可。
・その他
l 毎月のUser Directoryデータをご用意頂く必要があります。
(毎月同じUser Directory CSVファイルを参照させることは可能)
l データはあくまでOffice365管理ポータル>ReportまたはMicrosoft Graph Report APIで取得できる範囲のものです。元になる利用データは7/30/90/180日分のActivity Logサマリデータになり定期的に取得してPower BIに読み込ませます。 そのため、何月何日、何日何時何分に誰がなにをした、という詳細Logは含まれません。扱われる日付はレポート出力日(Report Refresh Date)が基準になり、日付はUTCになります。
l Exchangeのデータには予定表・会議利用ログは含まれません。
l SharePoint Onlineにデータを出力しPower BIで自動読み取りを実施します。 Power BI Desktop、およびPower BI Freeでもご利用いただけますが、他ユーザーへの グラフ共有にはPower BI Proライセンス以上が必要です。
l PowerShellスクリプト利用にはMFAを設定しない管理者アカウントを利用してください。(現時点でスクリプトがMFA未対応のため)
l レポート毎にレポート出力日が異なることがないよう、必ずレポート出力は一括で実施ください。
・アクティブユーザーの定義
アクティブユーザー数の計算はOffice365利用状況レポートのアクティブユーザー定義と同じになっています。・時系列グラフについての留意事項
①扱われる日付はレポート出力日(Report Refresh Date)が基準になります。
②出力日のデータは過去7または30日の利用データを含みます。何月何日の利用データというデータではなく、グラフは一定期間の利用データを要約したものになります。
③Office ProPlusアクティベーション・Teamsメンバ情報に関してはレポート出力日時点のデータを表します。
さあ、実際のデータ準備方法・Power BIサンプルグラフの設定方法について次の章以降で解説していきます。
注:本情報の内容 (添付文書、リンク先などを含む) は、作成日時点でのものであり、予告なく変更される場合があります。
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- 編集済み Office 365 Technical Sales Team JapanMicrosoft employee, Owner 2020年7月13日 2:48
2019年3月1日 7:17所有者